思い出す映画
2017年 04月 01日
シアターゲームが移民の子供のために考案されたことと関連して、今も思い出す映画がある。
ロビン・ウィリアムスの初期の作品に、「ハドソン河のモスコー」(Moscow on the Hudson)という名作がある。彼が演じるのは旧ソ連のサーカスでサックスを吹くミュージシャンで、ニューヨーク公演で訪米した際、ショッピング中にデパートで亡命するのである。
この作品が面白いのは出てくるキャラクターというキャラクターが、すべて移民やマイノリティというところだ。主人公の親友は黒人、ガーフレンドはイタリア系移民、ビザ申請を手伝う弁護士はキューバ人、おまけに心労で倒れた彼が病院で目をさますと、顔をのぞき込んでいるのがアジア系のナースという徹底ぶり。
安アパートに暮らし、サックスの実力を思い知らされて職を点々とする日々は、決してサクセスストーリーではない。雑多な人種の関わりの中で、もがき苦しみ涙を流しご飯を食べガールフレンドを抱いて日常を生きていくのである。冷戦当時の作品なので、最後の「おち」はアメリカ万歳の感があるが、心にしみるいい映画だった。
今のアメリカで公開されていたら、どう受け止められただろうか。考えずにいられない。
by spo-game
| 2017-04-01 10:53